●モッズとR&B
モッズの好きなミュージックといえばR&B。
クラブで踊るのが大好きなモッズは、
グルーヴィーで洗練されたブラック・ミュージックが大好きなのだ。
そして、つい忘れがちになるけれど、
60年代の前半においてこれらのアーティスト、サウンドは、
最先端のヒップでクールで知的な匂いのする音楽であった事。
・・・というのをふまえて、
当時のモッズに人気があったと思われるアーティストを以下に
ドバドバっと紹介していきましょう。
まずはそのスィートなメロディーにダンサンブルなビートを持つ、
アメリカはデトロイトのモータウン・サウンド。
マーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、マーヴェレッツ、
マーサ&ザ・ヴァンデラス、シュープリームス、テンプテイションズ・・・
名前を挙げだしたらキリがないほどのモッズ・サウンドの宝庫です。
そしてアトランティック、スタックス系サウンド、
オーティス・レディング、レイ・チャールズ、ウイルソン・ピケット、
ソロモン・バーク、ブッカーT&MG’S、
ソウルマンの超大物ぞろい、
こちらも名前を挙げだしたらキリがありません。
それでもって、ヴィー・ジェイのジョン・リー・フッカー、ジミー・リード、
あたりも人気どころしょう。
また、長い間イギリス領だった影響か
60年代のロンドンにはジャマイカ出身の移民が多かったようで、
いわゆるスカ、レゲエの祖先であるジャマイカの音楽、
ブルー・ビートも人気が高かったようだ。
例の輸入本『 Mods! 』にも、
プリンス・バスター、ジミー・クリフ、スカ・キングス、マッドネスなんて名前が。
そして、注目はニューヨークのスー・レーベル。
ジャギー・マレー・ジョーンズという黒人がオーナーの
弱小インディペント・レーベルだったようだが、
アイク&ティナ・ターナーあたりが有名なアーティスト。
おもしろいのは、これとは別にイギリスでも同名のスー・レーベルが存在し、
USのスーとはまた別にセレクトされた曲が発売されていて、
それらの曲が、かなり当時のモッズ達に影響があったと思われるのだ。
『 THE SUE LABEL STORY 』という編集盤に収録されている曲を見ればわかるが、
当時のモッズ・バンドがカバーした曲のオン・パレードなのである。
これを仕切っていたのがガイ・スティーヴンスという男。
R&Bに限らず、ジャズ、ブルース、ブルービートなどジャンルにこだわらず、
そのセレクトのセンスの良さはとにかく抜群なのだ。
UKスーのさらに詳細は『 THE SUE LABEL STORY 』レヴューを!