●ヴェスパを生んだピアジオ社
モッズご愛用のスクーターとして切り離すことのできない
ヴェスパを開発したのはイタリアにあるピアジオ(PIAGGIO)という会社。
ヴェスパを生んだそのピアジオ社の歴史は古い。
1882年頃の木工製品の製造していた工場がその起源だとか。
そこから発展し、船舶用の家具といったモノを得意としていたようです。
次第に軍艦の内装や鉄道の枕木等の製造で事業を拡大し、
イタリアを代表する大企業へと発展していきます。
また、船から空への時代となり、航空機の生産も着手、
そして本格的な戦争の時代へと突入し、ピアジオは軍需工場となっていく・・・
交通機関が壊滅された終戦後、
簡単でいて気軽に誰もが乗れる移動手段を求めて、
1946年に生まれたのがヴェスパ(VESPA)なのだ。
なんといっても驚くのは初代の「VESPA 98」から既に、
あのヴェスパというイメージそのままの流線型のデザインが採用されていた事。
他にもヴェスパにはモノコック・ボディーや、
一体型のエンジンやら、片持ちサスペンションなど
ヴェスパらしさはたくさんあります。
しかしひと目でヴェスパとわかるそのスタイルは、
モッズでなくとも、思わず目を向けてしまいますよね。
年々ヴェスパは改良を重ね、数多くのモデルを発表。
ちなみにヴェスパは、スクーターだけではなく、
三輪車「APE」や、四輪車「VESPA 400」なども存在したりします。
そして、イタリア国内だけではなく、
イギリス、フランスなどでも生産され世界中でも大人気。
そして今でもピアジオ社はヴェスパを作り続けていて、
さすがにそのデザインは今時のものに変わったけれども、
日本でも新旧のヴェスパが走っているのを見かけますね。
●モッズとヴェスパ
フーの四重人格のブックレット、
そして映画「さらば青春の光」の中で
エースが乗っていたのが「VESPA 160 GS」。
GSはGran Sportの略で、ヴェスパのスポーツ・モデル
国産のスクーターに見慣れていると、
意外やボディが大きく、
ヴォリュームがあって、実にカッコイーです。
ヴェスパは世界中で人気があった事もあり、
各国でライセンス生産されたヴァージョンもあり、
特にヨーロッパではスクーター・レースが盛んで、
独自にスポーティにカスタマイズされた特別仕様車なんかも
人気が高かったようです。