●モッズとは何か
モッズとは?
モッズとはこだわりである。
モッズとはクールであるためのこだわりである。
これを語らせれば、もう人によっていろーんなこだわりの答えが返ってくるでしょう。
多分、そのどれもがアタリだと思います。
そして、それらのモッズ論を大きく分けると
次の2つに分けられるのではないかと思います。
(A) ユース・カルチャーとしてのモッズ
(B) 精神的モッズ
(A) ユース・カルチャーとしてのモッズ
イギリスのロンドン近辺で1960年代に「モッズ」と呼ばれ流行した若者文化、
音楽やファッションをベースとしたライフスタイルの事を指します。
定番アイテムとして次の3種の神器が有名。
・R&B、JAZZなどのブラック・ミュージック
・3つボタンスーツ、ミリタリー・パーカー
・スクーター(べスパ、ランブレッタ)
1979年の映画「さらば青春の光」で見られる姿そのものです。
踊りやすいクールでグルーヴィなブラック・ミュージックを好み、
シャレたファッションを極めながら、
昼間は働きながらも、ド○ッグをキメてハイとなり
夜はスクーターに乗ってクラブで踊り明かす。
踊り明かした後はカプチーノを飲んでレコード・ハンティングというような日々。
そんなライフスタイルが典型です。
60年代のモッズ・バンドとしてはフー、スモール・フェイセズが
2大バンドとして有名。
日本では、映画「さらば青春の光」の公開前後に発生した
ネオ・モッズのイメージの方が一般的かも。
ポール・ウエラーによるジャムがその代表。
・・・というか神に近い存在。
ネオ・モッズは、60年代のモッズ定番アイテムを採り入れ、
それらをより強調させパンク的な要素を加えたファッション・スタイル。
音楽的にはブラック・ミュージックからの要素は薄めです。
(B) 精神的モッズ
新しくスタイリッシュなものに独自のこだわりを加えるというセンス、
スピリット部分を引き継いで、過去のモッズ・スタイル
音楽 = R&B、JAZZ、BLUE BEAT
ファッション = モッズ・パーカー、オーダー・スーツ
生活スタイル = クラブ通い、スクーター、ド○ッグ
などにとらわれず、
これがカッコイーというものを見つけ出し、
現代でそれを新たに切り開いていくような姿勢のようなもの。
ある意味(A)と(B)は対極的です。
別にどちらがいいという事もありませんし、
何がモッズで何がモッズじゃないという答えもありません。
モッズをひとつの枠に定義する事は、不可能な事だと思います。
モッズというスタイルは、60年代に生まれましたが、
それぞれのアイデンティティ探しにもつながっているので、
若者、そして年老いても
いつまでも個々の中で形を変えながらも生き続けているのでしょう。